FC2ブログ

食べログと。時々雑感と。 | 食べログが趣味の福岡県在住レビュアーブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted by akii on  | 

門司港の栄華、蘇る九州最大級の料亭旅館◆三宜楼茶寮 春帆楼

福岡県北九州市門司区清滝3-6-8、三宜楼茶寮 春帆楼(サンキロウサリョウ シュンパンロウ)。
2015年10月オープン。門司港栄華の歴史が語り継がれる趣ある座敷で、ふく料理と季節料理を楽しめる。
JR門司港駅徒歩8分。予約可。カード可。サービス料なし。禁煙。
駐車場なし(近隣の有料駐車場の割引券あり)。
営業時間11:30~15:00(L.O.14:00)。
夕食は予約制。17:30~22:00(L.O.21:00)・日祝~21:00(L.O.20:00)。
定休、月曜(祝日の際は営業、翌火曜日休み)。
個室あり。最大70名様までの宴会場あり。50人以上で貸切可。
見学10:00〜17:00(無料)。ガイドして貰うのが望ましいので見学も予約のお問い合わせを。

外観

ここが、三宜楼… 
門司港の繁栄と共に料亭としてその栄華を極めた料亭。
門司港を散策した際に、見上げるだけだった三宜楼。
なぜなら、営業されてはおらず老朽化により取り壊す話もあり遠巻きに見るだけだったからです。
その三宜楼が料亭として蘇ったとのニュースがあり、訪問機会を狙っていました。

創業の時期ははっきりしていませんが、1906年(明治39年)の九州日報、門司新報には三宜楼の名前があったとか。
木造三階建てのこの建物の新築開業は1931年(昭和6年)4月。
当時を代表する料亭建築で、九州でも希少な木造三階建て大規模建造物です。
延床面積1200㎡以上、部屋数20室以上。門司港を見下ろす高台での開業。
創業者は京都出身の女性、三宅アサ。商才を発揮して三宜楼を建築。
当時の門司港は神戸や横浜と並び、国際航路としての日本三大港。
大戦景気の波に乗り港はますます盛んに。商業施設も爆発的に拡大。
門司港の発展とともに旅館や料亭なども次々と建てられ、三宜楼もその時期に。
1931年(昭和6年)4月5日付の門司新報に三宜楼絶賛の記事。
「建物は新古の粋を集め優雅にして堅牢、間取りの如きも大小十五を算し、且つ眺望の佳なる相候ち、料亭としては北九州に比類なき偉観を呈して居る」

三宜楼は、出光興産創業者の出光佐三、喜劇俳優古川ロッパ、俳人高浜虚子など数々の著名人が利用。
財界人が集まり、俳人がここで句を詠む。三宜楼は各界の著名人が集まる華やかな社交場でした。
当時の門司は地価が高騰し一坪の単価が現在で言えば4百万円以上!
三宜楼はそこに232坪という敷地を有し門司港を代表する料亭でした。
ですが、終戦とともに港は縮小し衰退。
栄華を誇った三宜楼も1980年(昭和55年)に閉店。
その後、経営者家族が住居として利用していた時期もあり、その維持費は大変だったようです。
建物の老朽化により相続は放棄され、土地の所有者が売却を決めたのは2005年(平成17年)。
ついに取り壊しか、となりました。
それを聞いた地元の有志が「三宜楼を保存する会」を結成。
門司出身の写真家・藤原新也さんや小倉育ちのイラストレーター・わたせせいぞうさんも保存会に参加。
1年で16000名の署名と1900万円の募金を集め、三宜楼の土地の所有権を取得。
その後、保守する会は北九州市に三宜楼を寄贈。
市は献身的な活動に感銘を受け保存を決定。
2012年(平成24年)より保存補修工事に着手、2014年(平成26年)3月には本体工事を終えますが、料亭としての復活を望む多くの声。
料亭三宜楼としての立て直しを図ることが決定。
当初6000万円弱を見込んでいた総工費用が、料亭へと改築するため2億円近くまで充てられたと聞きます。
老舗ふぐ料理店、下関に本店を置く春帆楼の料理を楽しめる料亭「三宜楼茶寮(さんきろうさりょう)」として営業されることになりました。
建物は、使用中の部屋以外は無料で見学することが出来ます。

門には角松

利用したのは一つ前の冬。
当時の門司港の栄華の疑似体験をしてみるべく宴会利用です。
何より建物をじっくりと見て見たくて、建物の見学予約を入れました。
見学は17:00まで。
夜は予約利用。
16:00から見学し、そのまま宴会の予約。
数年前、通称 三宜楼坂から見上げただけの建物を本日体験出来るとあって興奮気味の私。
坂を上ると大きな石垣。
その上に、数寄屋造り三階建ての三宜楼。
堂々たる風格。
正月を前にして門松。

入口、女将が迎えに出てこられている

建物入口に着物の美女が迎えに出てくれました。
見惚れるほど妖艶で芸子さんかと思ったのですが、春帆楼本店から三宜楼茶寮へ来られた女将とか。
男性方はこの時点で建物から女将に視線の先が変わっていました。

玄関を上がった空間と廊下 (2)

女将にガイドをしていただいて、建物見学。
1階には展示室があり、当時の写真や使われていた用具や調度品の展示、各所に施された意匠の説明などがあります。
大きな料亭だと分かる滑車の荷物運搬用エレベーターや、3階部分を支える柱や梁。
下地窓や欄間の意匠が素晴らしいですね。部屋ごとに変化があり見応えがあります。図案の数も多く贅沢です。

館内の窓の意匠に注目

客を楽しませ、飽きさせない高度な技術。
2階には「百畳間」と呼ばれる、舞台まで入れて80畳という大広間があります。
3階の角部屋は「俳句の間」と呼ばれ、高浜虚子の俳句が飾ってありました。

三階のお部屋

擁壁を入れると4階の高さに位地する3階の窓からは、門司港の街を一望出来ます。

三宜楼からの門司港の街

建物の維持は大変なようで、直しても歪んでしまうところも見ました。
同じ3階の出光佐三さん贔屓の間は、改修に手が回らず未だ開かずの間。
全ての改修にはまだまだ費用がかかるようです。
歴史を感じる、昔の電話交換八番の名残のボックスの扉。

昔の電話交換八番の名残、電話は寄贈、一寸の「、」をとって、チョイの間、階段横が定位置

一番当時の料亭を感じたのは、各料亭にあったという階段横が定位置の「チョイの間」。
当時の料亭は、遊郭で働く女性と芸者さんを何人かづつか囲っていたそうで。
宴会の席で殿方が美しい女性と消えていく場所が、階段すぐ横の部屋、一寸(いっすん)の間。
寸の「、」をとってチョイの間と呼ばれたそう。
2畳の前室と6畳の小さな床の間のある階段すぐ横の部屋は、当時の料亭でそういうことに使われたんですって。
今は使われていないので開かずの間。
閉店後、親族の方がこの屋敷に一人で住んでいた時期もあり、収入を得るために部屋を間貸ししていた頃もあったとか。
ドアの上に部屋番号がそのままになってるのを見ました。
女将の説明、興味深く楽しめました。

そして三宜楼と言えば、二階の64畳と舞台の16畳にまたがる通称「百畳間」がシンボル的。
当時毎日のように宴が催され、ここで宴会を開くことは企業のステータス。
今宵は百畳間での宴会です。

通称 百畳間

メニューに、ふく会席と更に豪華な、ふくコースがあります。
(メニュー) https://www.shunpanro.com/location/sankirou/cuisine.html
ふく会席の真ん中をお願いしていました。
サービス料がないのは有難いですね。

◆ふく会席 10800円(税込)

・先付 春帆楼鯛わた

先付

・前菜 季節の五種盛

前菜

・御椀 ふぐ真丈清まし仕立て

御椀

ふく真丈清まし仕立て

・造り 三種盛り…鯛・鮪・ヒラス

三種盛り

・向付 とらふぐ薄造り(個人盛七寸皿)

向付

・焼物 牛肉のステーキ 茸ソース

焼物

・揚物 ふぐ唐揚げ

揚物

・鍋物 ふぐちり鍋(個人鍋)

鍋物

・蒸物 白子酒蒸し

蒸物

白子酒蒸し

・止肴 ふぐのたたき

止肴

・御飯 ふぐ雑炊 香の物

御飯

・水物 デザート

水物

ビールや、ふくひれ酒をいただきながら舌鼓。

エビスビール(中瓶) 702円(税込)

ふくひれ酒

ドリンクメニュー

価格だけのことはある内容で同席した方々は満足されていました。
長崎県にある春帆楼契約漁協から、良質の高級とらふぐ。
春帆楼は1888年(明治21年)、伊藤博文公がふぐ料理を食したのを契機にご禁制が解かれ、ふぐ料理公許第一号となった店。
薄造りは、個人盛七寸皿。
添えられた安岡葱は下関から直送。辛味はそうなく豊潤。
ぽん酢は契約農園で育てられた橙と無添加本醸造醤油と北海道産羅臼昆布・鹿児島枕崎産の厳選した鰹節の調合。
酢橘は河豚に絞らず、別皿に搾ってどうぞとのこと。
一人一枚あれば満足度高いですね。
出されたふぐ料理は、ふく真丈、薄造り、白子蒸し、唐揚げ、ちり鍋、たたき、雑炊。
様々にいただいて堪能しました。
水物は抹茶アイスと苺に蕨餅。
食後は焙じ茶をいただきながら、門司港の栄華時代を思い余韻に浸る。

食後はほうじ茶

建物、女将、料理と特別な時間が過ごせ、また同じような利用をしてみたいと思いました。
今回2階の大広間利用でしたが、1階に石庭に囲まれた和室が4部屋あります。
会食、接待、結納、顔合わせなどの用途に向いてます。
お昼はお手軽な食事もあるようです。

芸子 小りんさんの裾引き

解体の窮地から救われた歴史的建物。
ご利用の方はぜひ、建物見学のガイドをお願いして、当時の栄華を味わってみてください。

建物内から玄関を見て

入口手前の階段から

三宜楼茶寮 春帆楼



関連ランキング:ふぐ | 九州鉄道記念館駅門司港駅出光美術館駅

関連記事
スポンサーサイト

Posted by akii on  | 0 comments  0 trackback

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://asdfgh12.blog13.fc2.com/tb.php/701-db28b6fa
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。