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05.10
大阪市中央区淡路町3丁目淀屋橋、吉野寿司。
天保12年(1841年)創業の老舗寿司店。大阪の伝統の味を守り続けてきた名店。
箱寿司は、吉野寿司の三代目が考案したのが始まりと言われる。
二寸六分の木型に型押して作る大阪発祥の箱寿司は、農林水産省の「農村漁村の郷土料理百選」に選ばれている。
見た目の美しさから「二寸六分の懐石」とも呼ばれる箱寿司。粋なお土産としても人気とか。
営業時間9:00~22:00(L.O.20:30)。定休日、土・日・祝。

外観

情報と流通のおかげで、今は日本全国どのエリアでも同じものをいただけますが、同時にその地で守られてきた郷土料理と接する機会が少なくなっているように思います。
大阪寿司。中でも箱寿司は今日までいただく機会がありませんでした。

以前、NHKの特集を見ました。
二寸六分の木型に小鯛、焼き穴子、卵焼きと海老、鯛とキクラゲを並べて型押しする、見た目にも鮮やかな大阪寿司の代表。
すべての材料は一日がかりの仕込みが必要とか。
小鯛、焼き穴子、卵焼き、海老などの具は、それぞれ7人の担当が居られ、穴子は縮まないよう重石をして焼く技があり、小鯛は塩だけでは味が良くないので砂糖を隠し味に使う、など仕込みも入念。客には見えない裏方の仕事です。
活焼穴子、厚焼き玉子、活小鯛、海老など丹念に仕込んだ高級素材を寿司飯の上にのせ、椎茸や焼海苔を入れて、アンカーとして最後に木箱で押して箱寿司を仕上げるのは、この家に生を受けた選ばれし七代目。
箱寿司は角が大事と、綺麗に仕上げられて行きます。
仕込みから仕上げまで全て手作り。大量生産出来ないものです。
職人が手間暇かけた仕込みと技の結晶、箱寿司。
握ってすぐに食す江戸前とは一線を画す、時間がたっても美味しくと作られた寿司です。

鯛寿司です。一つ一つがとても丁寧

期待に胸を膨らませ店舗へ。
店舗自体は比較的新しいもの。看板の「すし」の文字は歴史背景を感じるものです。
この「すし」の文字は、かつて中国で羊肉魚肉を飯の上に置き発酵による江州の「ふなずし」の原型となるものを意味するとか。

外観 

1階の自動ドアが開くと販売スペース。食事処は2階。エレベーターでの案内です。

店内テーブル席

ドアが開くとテーブル席。奥にカウンター席が見えます。
空いていたのはテーブル席。カウンターが空けば、移動させてくださいとお願いして座ります。
お茶が出たところで、丁度カウンターが空き、席を移動させて貰えました。
白木のシミひとつないカウンター。BGMもなく凛とした空気。
もう一組が食事中でした。
そこでカウンター内に立つ34歳の青年が吉野寿司七代目、その人。

店内カウンター席   

ランチ利用で、メニューから昼膳を頼みました。

◆昼膳 2000円(税別)

昼膳 2000円(税別)

・箱寿司

箱寿司

・巻寿司
・鯖寿司

寿司、鯖寿司

・汁物

汁物は、じゅんさいと白魚の赤出汁

昼膳は箱寿司をメインに巻、鯖寿司が愉しめます。
小鉢のおまけがついていて、玉子用に使った鯛の皮や生白菜でサラダっぽい。上品で美味しい。

小鉢

そして箱寿司。

!!

想像を超えてました。飯粒は押されているのに潰れていない。
甘めのシャリに乗る繊細な素材たち。
そして巻物。
今まで食べたもので一番美味しいかもしれない。
汁物は濃いめの赤出汁。具はジュンサイと白魚。この濃さは箱寿司とのバランスが良いです。

追加を少し頼みたい人の為に、各テーブルやカウンターにプチメニューの配慮があります。
【ちょっとだけのお寿司の追加】メニュー
・巻寿司 四切 400円
・穴子細巻 三切 500円
・鯖寿司 三切 600円
・鯛寿司 三切 900円
・上巻 四切 800円
・箱寿司 三切 800円
・穴子箱寿司 三切 900円

美味しかったので、少し追加・・・
◆穴子細巻き 三切 500円(税別)
穴子も美味しいですが、海苔も良いし巻きが良いですね。

「ちょっとだけのお寿司」の追加。穴子細巻き 三切 500円

デザートが+300円でありましたので、それもいただいて。
◆アイス最中 300円(税別)
自家製アイスを最中の皮添えで。

アイス最中 300円(税別)

食後の感想。
思ったよりずっと上品で美味しいものでした。
箱寿司は工程から感動しました。
人生で沢山食べてきた巻き寿司は他と比較出来ます。
今までの巻き寿司が色あせてしまうような美味しさを感じたので、口にして話しました。
「シャリの違いじゃないでしょうか。私がこのシャリで江戸前を握っても合わないと思います。」
なるほどそうか。
今まで食べてきた巻き寿司は、握りも巻きも同じシャリのお店です。
こちらのお店は握りません。押して良い絶妙のシャリ。
これが巻きになって適度に空気を含んだシャリ一粒一粒が美味しいんですね。
美味しいお結びを作るコツも米粒の空気にふれる表面積をどけだけとれるかによると言いますしね。
飯に六分の味と言われる寿司、妙に納得です。
こちらでは、日本晴などの西日本の硬質米を使われてます。
噛みしめるほどに美味しさが増し、時間がたっても美味しさが変わらない米の特徴があるとか。

ほうじ茶

聞くと、どんなに手間がかかっても手作りにして、部分外注しないのだとか。
外注するとどこかで思わぬ何かが入ってしまう。オーガニックで体に優しいものを。
その思いがギュッと詰まった寿司です。

店内カウンター席

カウンターの8席は、七代目が改装して用意された席だとか。
江戸前のように目の前で握りたてをというものとは違いますが、箱寿司を作る所作が見られます。
二寸六分(8.5cm)の押し型は、両手でギュッと押せるような桧で太く作られてます。
大切に扱えば20年は使えるものらしいですが、木型職人の数も少なくなったとの談。
大阪寿司の良さを知って貰いたくて七代目が作られたカウンター。
変わる世に変わらぬもの。看板を守っていく技と味は大変でしょう。
浪速の郷愁とも言える郷土料理。ぜひぜひ頑張ってください。応援します。

江戸前と比べてシャリの甘い大阪寿司は、九州人の私の口にもよく合いました。
再訪して色々食べさせていただきたいですね。
特に蒸し寿司。
大阪では熱いことを方言で「ぬくい」と言われますが、この方言は地元北九州でも同じ。
「ぬく寿司、頂戴。」と常連さんと同じように言えるくらいに通ってみたくなってます。

先代さんは?と何気に気いて見ましたら、下に居ますとのこと。
あ。1階の販売の方にいらっしゃったお爺ちゃまは、六代目さんでしたか!
七代目は次男さんで、長男さんは会計士でお店を見てらっしゃるとか。
六代目にも「美味しかったです」と言い、お店を出ました。
1階店内に掲げられている屋号の書は、明治の老大家、比田井天来先生の蹟。

店内1階ディスプレイ 

店内1階ディスプレイ

お店を出た後、少し散歩。
大阪市立愛珠幼稚園(あいしゅようちえん)。
吉野寿司七代目はここの卒園生だとか。
先代から、ひな祭りには吉野寿司からハレの日のお寿司を提供しているらしいです。
子供たちにも、寿司文化を知って貰うために。素敵な試みですね。
ところで、こちらは現存する現存する幼稚園としては大阪府内では最も古い歴史をもち、日本でも2番目に古い歴史をもつ1880年6月1日に開園した幼稚園。
2007年、幼稚園の園舎として日本で初の国の重要文化財に指定されています。

大阪市立愛珠幼稚園

大阪市立愛珠幼稚園 

そして、園舎は適塾跡に隣接。
蘭学者・医者として知られる緒方洪庵が、江戸時代後期に大坂・船場に開いた蘭学の私塾。
正式には適々斎塾(てきてきさいじゅく)と言うそうですね。
幕末から明治維新にかけて活躍した人材を多く輩出し、現在の大阪大学医学部の前身とされているこちら。
建物等は現在、大阪大学が管理している、昭和39年1964年(昭和39年)国の重要文化財に指定された建物。
船場のオフィス街の中に存在感のある区画ですね。

緒方洪庵旧住宅及び塾

緒方洪庵旧住宅及び塾 

緒方洪庵先生像

大阪の食と重要文化財。また少し大阪に近くなれた気のした日でした。
吉野寿司

昼総合点★★★★ 4.5



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